俺は保健室から出て部活に行こうとすると、またグッと腕を掴まれた。


「今日は部活早退しなさいよ」

「なんで?」

「自分が手首怪我してるの分からない訳?」

「分かってるけど…俺レギュラーだし簡単に部活休めないんすよ」

「怪我と言っても間接をおかしくしてるの。悪化してバスケ出来なくなるのと、安静にしてバスケ出来るようになるの…どっちが良い?」


そんなの決まってる。

バスケ出来なくなるのは嫌だから…


「安静にします…」

「うん。…部長に言うの付き合ってあげるか?」

「いや、大丈夫です」

「そっ。じゃあまた」

「手当…ありがとうございました」

「別に〜」


手をひらひらと振って行ってしまった。