「新撰組は、何をしとるんだ」
「…は?」
良順さんの言葉に間抜けな声で返してしもうたが、良順さんは厳しい表情をしとった。
「ありゃあ心労からきてる症状だ。話を聞いてみたら食事もろくにとってなかったらしいな」
「いや、出したんやけど食べんのやって」
「そりゃお前らのせいだろうに」
「……そうやけど」
「あの娘さん、拒絶してるよ、アンタ等を。心から、見たくない、受け入れたくないと思ってる」
「………」
…そこまでなんか。
そこまで俺らを拒絶しとるとは思わんやったわ。
「目を、包帯で隠すか?と娘さんに訊いたんだ。目を開けてるのに見えないってのは案外辛いからな」
「恵梨ちゃんは、何て?」
「『今のままで、良いのかもしれません。…見たくないと思ったのは事実です。見たら、受け入れざるを得ないです。見えなくて、いいです。不安だけど…苦痛じゃないです』だってよ」
「…ホンマか?」
「ああ、『見えなくていい』なんて思わせてるんだ、お前達が。いいか。娘っ子一人守れずに将軍や京は救えんだろ」
…痛いとこ突くなぁ、良順さんも。



