私の肩に何かが当たる。
「うん、やっぱだいぶ大きいけど…大丈夫やろ!!」
山崎さんの元気そうな声が聞こえて、私は山崎さんが私に着物をあてがっていたことを悟った。
そして、次のセリフに驚愕した。
「恵梨ちゃん、その奇っ怪な着物、脱いでくれん?」
………は?
「そうしてくれへんと、着替えさせられへんやん」
自分で着替えます。
そう言おうとして、気付いた。
着付けを知らない。
知っていても、見えないこの状態じゃあ…無理ね。
「どうしても……ですか」
「困るのは恵梨ちゃんやで?」
「………嘘です、そんなの」
私が出した少し低い声に、山崎さんは黙った。
「困るのは…貴方たち、でしょう。私は、貴方たちから言わせれば『怪しい奴』ですから…、そんな怪しい格好の私を此処から出て医者に連れていくのを見られたら、私を捕らえているわけではなく、…匿ってると勘違いされてもおかしくないです」
「………」
「勘違いかもしれないですが……貴方たちにとっては、私が体調を壊したらなにか不都合があるような節を見せてますから…匿ってるわけじゃないようですが、世間がどう思うかは分かりませんから」



