だが、復たしても問題が発生した。
障子はどの方向だろうか…?
あ、分かんない。
今自分がどの方向を向いてるのか…さっぱりだ。
途方に暮れてその場に立ち竦む。
すると、
背後でカラリと乾いた音と共に
「朝飯、持ってきた」
永倉さんの声。
私は音がした方向に振り向いた。
なるほど、障子とは逆方向を見ていたのか。
…ちょ、待って。
朝飯?
ってことは、朝?
なのに真っ暗なの?
「今度こそちゃんと食べ………」
永倉さんの言葉が途切れた。
不思議に思っていると、急に腕を捕まれた感触がしたので肩が跳ねた。
「お前…目が見えてないのか」
「……え?」
見えてないのかって……まだ早朝で、だから暗いんじゃないの?



