その時、一人の女の子がすまなそうに仲のよい二人のとこに近づいて来た。


「松本さん、小島さん、私と一緒に帰らへん?」

「えっと……上村さんだっけ?」

「うん、ウチこっち引っ越して日浅いねんやけど、まだこっちに慣れてないんよ」

「そう?クラスのみんなと仲良くしているでしょう?」

「ウチ何か浮いてるみたいやから………。あと、ウチの事あかねって呼び捨てしてもかまわへんよ」

「私らも呼び捨てでいいよ。私が奈緒でこっちがるい」


 緊張しているのか、るいは何も話さず頭を深々と下げて挨拶した。


「奈緒にるいか……、よろしゅうな」

「あかねちゃん、関西?」

「そやねん、関西をあちこちローテしてたんやけど、オトンがこっちで銭稼いだろうって来てん」


 あかねは自信満々で話したが、るいも奈緒もいまいち何を言っているかわからずキョトン顔。