やっぱり……



「母乳はあげてるの?」


「はい」



ほとんどあげてないんだけど、あまりにぐずった時だけたまにあげてる。



「お腹の赤ちゃんのために、できれば母乳はやめたほうがいいわね」


「わかりました」



病院の帰り、蒼太が座ってるベビーカーを押しながら、蒼太を身籠った時のように、また一人でニヤけてしまった。



いつもは疲れと体調の悪さで、食事の準備も溜め息を吐きながらやるのに……


今日は赤ちゃんができたってだけで、気分が凄く良くて、張り切って夕食を作った。


案の定、帰ってきた優太に



「なんかあったのか?それとも今日は体調がいいのか?」



なんて聞かれて……



「ふふ、赤ちゃんができたって言われた」


「マジで!?」


「うん」


「やったな、蒼太、お兄ちゃんだぞ?」


「マン……」


「“マン”?」



優太は蒼太が言ったことに首を傾げてる。


蒼太は最近、“まんま”とか“ねんね”とか言うようになった。


ただわかって言ってるかは、疑問なんだけど。


この“マン”はたぶん“早くまんまを食べたい”の“マン”だと思う。