バスケットボールと先輩と私。




着いた先は、体育館の裏。



「あの、私、新井ナナっていうんですけど、

佐野先輩のことがずっと好きでした。

付き合ってください!」


高く鼻にかかったような声でそう言った。



「わりぃ、俺、好きな奴いるから。」

即答。



「それって…木部さんですか?」


さっきの声とは大違いな低い声。

は?こいつ…裏あるな。


こういうときは…



「あぁ。そうだよ。

でも、
木部はまだ俺の気持ちに気付いてないんだ。
さっきの新井さんの告白に
すごく勇気を貰ったんだ。

だから…このことは、黙っててくれるかな?」



俺は少し屈んで新井とかいう奴の口に
人差し指を当てた。


そしたらそいつは赤くなって

「はい…、わかりました。」



ま、こんなもんか。