着いた先は、体育館の裏。
「あの、私、新井ナナっていうんですけど、
佐野先輩のことがずっと好きでした。
付き合ってください!」
高く鼻にかかったような声でそう言った。
「わりぃ、俺、好きな奴いるから。」
即答。
「それって…木部さんですか?」
さっきの声とは大違いな低い声。
は?こいつ…裏あるな。
こういうときは…
「あぁ。そうだよ。
でも、
木部はまだ俺の気持ちに気付いてないんだ。
さっきの新井さんの告白に
すごく勇気を貰ったんだ。
だから…このことは、黙っててくれるかな?」
俺は少し屈んで新井とかいう奴の口に
人差し指を当てた。
そしたらそいつは赤くなって
「はい…、わかりました。」
ま、こんなもんか。

