バスケットボールと先輩と私。



side...実依子



「実依子!」



誰かに名前を呼ばれたと思って

その方向を見てみれば、



その声の主は、なんと佐野先輩だった。



いつもは名字で呼ばれてたのに、

なんか変な感じ。


そしたら、先輩がこっちに近付いてくる。



周りの子のまたまた黄色い悲鳴が聞こえる。

正直うるさいな。



「実依子、今日の放課後 出掛けるから

準備しとけよ。」


「ほぇ?」

あまりにもびっくりして、
変な声が出てしまった。



先輩は、宜しくな、と言って、

ぽん、と、私の頭に大きな手を乗せた。


そして、フッと軽く笑うと、

佐野先輩は行ってしまった…。