side...実依子 なんだか、噂によれば今日の体育の授業は 二年生との合同練習らしい。 しかも、佐野先輩のクラスと。 周りの子は、 佐野先輩のクラスと一緒に体育だと知って、 わーわーきゃーきゃー騒いでいる。 やっぱり人気なんだな、と、 この前加那に言われたことを思い出す。 「実依子、よかったわね」 そう話しかけてきたのは、加那だった。 「そ、そう…?」 確かに佐野先輩と部活以外で会えるのは、 嬉しい。 でもそれは、ただ純粋に嬉しいだけで、 それ以上でも、それ以下でもない。