バスケットボールと先輩と私。




「ご、ごめんなさい!迷惑……でしたよね…。」



そう言って かばんにそのミサンガを戻そうとする木部の手首を掴んだ。


「違う。サンキュ、嬉しくてさ。」


「よかったぁ!!」


さっきの不安そうな顔はどこ行ったってくらい、パアッと明るくなる木部の表情は、どんなに夜が暗くても見逃さないぜ。


「あの、これ、私も先輩とお揃いなんです♪これつけて、明日 応援してますね!!」


絶対優勝して欲しいから、という木部は、
当たり前だけど、女の子だな、と思った。