バスケットボールと先輩と私。




実依子side



何が起こっているのか把握するまでに、少しだけ時間がかかった。


私……今、佐野先輩に抱き締められてるんだよね?


すごくすごく、幸せな気分。


私の頭をなでてくれる先輩の手が、
何より優しくて。


高身長の先輩には届くはずなく、
目の前にある先輩の胸が、何よりあたたかくて。



私も、先輩の背中に、手を回した。