早苗とは、高校に入学してから出会ったんだ。

入学してまもなく、あたしは体調を崩し学校を一週間程休んだ。



こうゆう時、学校に戻ると必ず“孤立”してしまう。


あたしの場合もそうだった。


「あんな子いたっけ?」


と言った具合。



それはしばらく続いていて。
でもそんな孤立から、あたしを連れ出してくれたのが、早苗だった。










「桜井さん? あたし、後藤早苗。しばらく休んでたみたいだけど、体弱いの?」


早苗はひとりでお弁当を食べていたあたしに、普通に話しかけてくれた。


「あ……うんん、そうゆうわけじゃないんだけど。 風邪がこじれちゃって……」


「そうなんだ……でも、よかった。ずっと気になってたの。欠席してる桜井さんて、どんな子だろーって。 あ!そういやさ、次の授業 予習やったぁ?あたし英語苦手で」



そう言って、にっこりと微笑んだ早苗。

その時の早苗の笑顔に、あたしはすごく救われたんだ。




早苗とはそれから自然と一緒にいるようになって、クラスのみんなとも仲良くなれた。


綺麗で性格もはっきりしている早苗のまわりにはいつも 人が集まる。



早苗はあたしにないものをいっぱいもてっる、あたしの憧れの子。