その声に驚いて顔を上げる。





「か・・・要!?」




「未央が勉強ねぇ・・・」



要はそう言って、あたしのノートをパラパラめくった。





「バ、バイトじゃなかったの?」




頬杖をついている要を見る。




「うん。だけど、もう終わったから。」




あたしを見上げると、要は口の端を上げて笑って見せた。




「そうなんだ・・・あれ?なんの、バイトしてるんだっけ?」




あたしは、要が一体なんのバイトをしてるのか知らない事に気づいた。




「言わなかった?駅前のカフェ」


「ええええ!?」


あたしの声に驚いて要は、一瞬体を強張らせた。

静かな図書館にあたしの声が響いて、近くにいた人達が何事だというように、あたし達をジロジロ見ている。



カアアア・・・


顔が赤くなるのを感じて、あたしは、慌てて口を手で塞いだ。


「ばぁか」


要はそんなあたしを見て、呆れたような顔で笑うとそう言った。






だって!!!





あそこの、制服がかわいいって、うちの学校じゃ結構憧れのお店だったりする。
でも、高くてなかなか行けないんだよね・・・。





「駅前って・・・、“cafe jiji”?」


「知ってんの?」




ちょっと待って?






――――てことは、ウエイター??






あたしは、黒の細身のパンツ姿に、膝下まであるエプロン、それに少しはだけた白いシャツの要を想像した。




に・・・似合いすぎるっ!!