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「やっぱりここにいる」


「えっ」



あっくんの子供と元カノに会ってみたいと思ってついてきたけれど、いざアパートに着いてみると、その勇気は一気に消え失せてしまった。


あっくんに子供がいると告げられたあと、子供の写真とDVDは見せてもらった。


それは茶色の封筒に入っていて、大切そうに保管してあった。


あっくんの涙を初めて見たあの日……


あっくんは茶色の封筒を手にしていた。


あたしの勝手な憶測だけれど、きっと子供に会いたくて流した涙だったんだ。


そんな子供の写真を見たときの第一印象は、あっくんにそっくりって思った。


その瞬間、あたしは子供や元カノと会っているあっくんを冷静に見られる自信がないって思った。


だからほんとは、ここへも来ないでおこうと思ったんだ。


だけど……


あたしの見えないところで会っているのを想像するだけで胸が痛くなったから、頑張ってついてきた。


でもやっぱり、今のあたしにはその場所へ足を運ぶ勇気はなかった。