9月。


新学期の高校は

少し今までとは違っていた。



職場に彼女がいる…


うっわぁ。


だめだめ…



学校へ一歩入ると俺は、教師、新垣和人になるんだ。


矢沢の彼氏であることは

忘れなきゃ。






新学期が始まって、初めての矢沢のクラスの授業。

意識しないようにすればするほど、なぜか意識してしまう。



でも、矢沢は俺よりも一枚上手だった。

全く俺のことなんて気にしていない素振りで、友達と大笑い。




「おい!そこ!!うるせ~ぞ!」



俺の注意に、やっと矢沢は俺を見た。