オレンジジュース~俺と一人の生徒~



聞き返すなよぉ・・・!


照れるだろ?




「先生、今なんて?」



おいおい、聞こえなかったのかぁ?


俺の愛の告白が!!




仕方がねぇなぁ。



そんな潤んだ瞳で俺をじっと見るな。



キスしたくなるから、俺は目をそらす。





「もう一回聞きたい?」




緊張の解けた俺がそう聞くと、矢沢はとても照れた表情で頷いた。



そんな照れた顔するってことは、聞こえてたんだろぉ?


何度でも言ってやるよ。

聞きたいならいくらでも言うよ。




「好きだよ。」




俺は


車の窓を全開にして、大声で叫びたかった。






「先生!!私も好き!!先生が大好き!!」





俺の胸に飛び込んできた愛しい人を抱きしめながら、

自分の瞳に水分が溢れていることに気付く。