何回家に通ったか覚えていないが、彼女は突然学校に来た。 彼女の目から、あの鋭さが消えていた。 『お前がしつこいからだよ…』と俺を精一杯睨んだがその目はとても優しかった。 そんな彼女が卒業式で俺にくれた一言。 『ありがとう』 そのありがとうには、たくさんの気持ちが込められているような気がした。 その時感じた気持ちを俺は一生忘れないでいようと思った。 何年経っても、この1年の苦労や悩みを忘れずに、 いつでも生徒と同じ目線で会話できる教師でありたいと思った。