何を聞いても目を合わせずに、小声で返事をした。 いつも俺を睨んでいた。 でも、笑うととてもいい顔をする子だった。 登校拒否をするその生徒の家へ行くと、毎回「二度と来るな!」と追い返された。 でも、俺には その「二度と来るな!」が「先生私を見捨てないで」と聞こえた。 嫌われてもいい。 俺にどんなひどいことを言ってもいい。 俺は担任の先生だから… 『何があってもお前の味方だから…』 その言葉を何度も言った。