「先生のこと忘れようって思ったら、すごく怖かったんだよ」



「それは俺も同じ。お前が隣にいないって考えただけで、冗談じゃなくて・・・怖くて仕方なかった。俺、弱いんだよな・・・」



音楽室で、直に甘える俺。


俺の髪を優しく撫でながら、直はごめんねって言ってくれる。




「俺もごめんな」



「ううん、私も」




俺達はいつもこう。



きっとこれからも喧嘩してもこんな感じでどっちもが謝り続けてしまうだろう。



喧嘩もするかも知れないし、嫉妬もするだろう。



いろんな壁を乗り越えて、崖を飛び越えて・・・誰にも負けないくらい幸せになろうな。




やっと幸せな日々が戻ってきた。



長かったけど、夜が明けた。






でも、そんな日々は長くは続かなかった。