ドキドキ
2人きりになった。
直、今・・・お前の心の中はどんな風になってる?
俺はな、どうしようもないくらいお前で溢れてる。
俺は、直が好き。
やっぱり直じゃないとだめなんだ。
「なぁ・・・」
俺が声をかけると同時に直が、部屋を飛び出した。
「先生、さようなら!!!」
大事そうに抱えてくれた紙袋。
直、走るの早いよ・・・
「待てって!直!!」
直と呼んでしまった。
バスケ部の生徒が廊下に集まっているのが見えて、俺は教官室へ戻った。
「直・・・」
直がさっきまでいた教官室。
直が使ったシャーペン。
直が座った椅子。
直の字。
直の匂い・・・
俺、やっぱだめだわ・・・
直と別れるなんて無理だ。