オレンジジュース~俺と一人の生徒~




教官室には、他の先生もいて、俺は教師と生徒としての会話しか出来なかった。




「水泳とバトミントンの所だけでいいから、適当に書いて!」



ちょうどいいから全クラスの日誌も回収しよう。


直だけってわけにもいかねぇし。



水泳・・・


水泳、楽しかったな。



水泳の時間が、俺と直の距離をぐっと縮めてくれた。



あのキラキラ輝くひまわりが・・・

あの眩しい太陽が・・・



今も、くっきりと俺の瞳の奥に残ってるよ。




水泳って言ったのは・・・やっぱり思い出して欲しかったから。



俺と直の始まりの場所だから。




「水泳は、クロールと背泳をしました・・・で良いですか?」




直は俺のシャーペンを使い、そっけない文を書いた。