「おはよう!!」
俺は、一歩前に出て、直に声をかけた。
「あ・・・おはようございます・・・」
突然声をかけられて、直は驚いた顔をした。
「何、眠そうな顔してんだぁ?あ、矢沢!!体育委員だったよな?」
頭が朝からよく働いた。
直にお返しを渡すチャンスを探していた俺は、直が体育委員であることを思い出した。
「え?はい」
何となく元気がない。
「後で、教官室に、体育の日誌を持って来てくれ」
直は、日誌なんて書いてないです・・・と笑いながら、俺から離れて行った。
言葉を交わすことが久しぶりすぎて、俺は直を追いかけたくなった。
来いよ。
絶対来いよ。
教官室。

