最後に直がくれたものは、マフラーだった。





「白かぁ・・・」



白いジャージに白いマフラーはおかしいだろぉ。



直・・・違う色だったら白いジャージに合うのに。




でも、ありがとな。




似合わなくてもいい。




お前にもらった白いジャージにお前のくれた白いマフラーをするよ。



去年のクリスマス、直と初めてのエッチをした夜・・・


直にもらった白いジャージ。




俺が気に入っていつも着ていた白いジャージと全く同じものを直は探してくれた。



直・・・

あの古いジャージは、俺にとっても思い出がいっぱいだった。



だから、お前が「白いジャージ欲しい」ってバレンタインの夜に言ってくれて、嬉しかったんだ。



お前に持っていて欲しいと思うから。



寒い朝の授業。



「おらおら!寒いと思うから寒いんだ!!」




寒い寒いと騒ぐ生徒に怒鳴りながら、俺はマフラーに触れた。



「先生だけずるい!温かそうな格好して~!」



「いいの!俺はもう歳だから!!」




やっと笑えるようになった。


お前はどうだ?