いつも俺を探して、
俺の背中に向かって走ってきた直が、
今日は俺を探してくれない。
これから先、ずっと・・・
もう俺達は終わったの?
俺にはまだ信じられないよ。
本当は学校へ行くことも辛いくらいだった。
でも、学校に行かなければ直に会えない。
直が生徒だから、学校へ行けば会える。
俺は白いジャージを来て、廊下を歩く。
たくさんの生徒におはようを言い、背中を叩かれたが、そのたびに俺の胸は張り裂けそうになって、今にも泣いてしまいそうだった。
直に会いたい。
直の声が聞きたい。
『先生、昨日言ったこと冗談だよ!』って俺に微笑みかけてくれよ。
直。
俺はチャイムの音も聞こえないくらい、頭の中がお前でいっぱいだ。
直、どうすれば届く?
この想い。
直も同じ気持ちでいてくれてるんだろ?
直、直・・・
昨日から俺は何百回も直の名前を呼んだ。
食欲がない。
昼食ものどを通らない。
晩飯もほとんど食べていない。
でも、腹も減らない。
何を食べても味がしない。