オレンジジュース~俺と一人の生徒~




「白いジャージ??直からもらったからやだ!!」



「それじゃなくて、昔着てたジャージ!!もう捨てちゃった?」



直は手をバタバタさせながら説明する。



「あの古い方?そんなのが欲しいの?普通、指輪とか言わね~かぁ?」




直はわがままを言わない。


いつも我慢する。



だから、今回もお金のかからない俺のボロい白いジャージが欲しいと言った。



でも、違ってた。




「いいよ。本当に欲しいもの言ってみろよ~!」




「本当に欲しいものが白いジャージなんだもん。思い出のいっぱい詰まったあのジャージが私の宝物なんだよ!!」




あまりに必死に力説する直に、俺も頷くしかなかった。


相当欲しいらしい。


あんなぼろぼろの破れたジャージが・・・




遅刻しそうになった直を追いかけた時に俺が着ていたらしい。


直は記憶力がいいな、と俺が言うと直は、先生関係のことだけだよ・・・って笑った。




俺だって本当は覚えてる。


あのジャージには直との思い出がいっぱいだった。