俺は、ラジオをつけた。
一緒に暮らそうなんて・・・今さら何を考えてる?
また彼氏と何かあったんだろ?
俺を巻き込むのはやめろって言ったのに。
ついつい七緒の声を思い出して、車のスピードが速くなる。
「先生、明日・・・楽しみだね!」
直の声で我に返る。
「あ、ああ。チョコ、俺も楽しみ。やっともらえる!」
「あげないよ~!!」
直は、手を伸ばし俺の頬を軽くつまんだ。
どうか、そっとしておいて。
俺と直の愛は、誰よりも強いけれど・・・
その愛は、お互いを想い過ぎて時々迷路に迷い込む。
ちょっとした石ころで、直はつまづいてしまう。
起き上がった時には、直は・・・
走って俺から離れてしまうかも知れない。
そっとしておいて。
俺と直を・・・
どうかそっとしておいて。
誰も邪魔しないで。
俺の願いはそれだけだ。
直と俺の2人だけの世界なら、直は何があっても俺のそばにいてくれる。
なぁ、直。
直、もっと俺を信じて。
もっと・・・わがままになって。