気がつくと、俺は直の冷たい唇にキスをしていた。



俺の温度が直に伝わって、直の唇が温かさを取り戻した。




「ありがと、先生…」



「やっと二人きりになれたな…」




直の手袋を外し、俺の息を吹きかけた。



「我慢したんだから、これくらいいいよな。」



俺は、自分の手袋を外し、直の手に絡めた。


手の温度を感じると、急に直との距離がなくなった気がした。