リフトを降りると、俺は「ごめん」と謝った。
そのまま、滑り下り、途中で止まった。
直が、リフトの上から俺を見ていた。
俺が女子とリフトに乗ったことを知っているはずなのに、直は笑っていた。
嬉しそうに、俺に微笑んだ。
「直…」
直は、リフトを止めてしまうんじゃないかぁ?
ちゃんと降りれるかぁ。
何かあったら俺が助けてやるからな。
俺はそんな想いを込めて、右手を上げた。
リフトを一人で乗ることは不可能だった。
俺はわざと男子生徒としゃべりながら、男子とリフトに乗ろうと努力した。
でも、いつも失敗に終わる。
俺は要領が悪いのか…
俺は、別の女子生徒とリフトに乗りながら、滑っているであろう直を探した。
お、見っけ!!
あいつ、へっぴり腰だなぁ。
くくく
大回りをしながら、止まりそうなスピードで直は滑っていた。
滑ると言うよりも、這うって感じかな。
「うわ!!」