直は、俺がスキーがうまいことを知り、落ち込んでいた。


また人気出る、とか・・・

ライバル増える・・・とか。



ばかだなぁ。


100人が俺を好きだと言っても、俺が好きな相手が直なら、何も問題ないだろ?


まぁ、そう簡単に割り切れないのが人間なんだけど。




俺は、教師という立場を利用して、直のグループのコーチを女性にすれば良かったと思った。


体操をする直達を見かけた。


コーチは、俺より若く、なかなかのイケメンだった。



俺は半分やけになって、リフトに乗った。


「わー綺麗だな・・・」


一人で乗ったリフトから雪景色を眺めると、驚くくらいに美しかった。


真っ白な雪の中に、うさぎの足跡が見える。



この旅行の間、一度でいいから、直とリフトに乗ろう。


俺はそう決めた。