修学旅行が近付いて来て、俺は毎日夜遅くまで学校にいた。


家でも仕事をし、休む時間もなく忙しかった。


でも、辛くなかった。



直がいてくれるから。



直が俺から離れてしまうかも知れないと思ったあの恐怖を思えば、俺は何だって乗り越えられると思った。




毎晩の直との電話だけが俺の疲れを癒してくれた。



修学旅行の行き先は北海道。


最近、海外に行く高校も増えている中で、うちの高校は代々北海道と決まっていた。



2年で修学旅行に行くのも、毎年恒例で、直は、中田と里田と一緒に行けることを喜ん

だ。

いろいろあった里田とも今はとても仲が良い。


と、言うのも・・・

きっと中田ゆかりのおかげ。