ホッとした。
俺は、やっと笑顔を取り戻すことが出来た。
「私、先生が好き。」
俺が欲しかった言葉をくれた。
直は、真っ暗な中でも俺の目をちゃんと見つけて、しっかりと見つめてくれた。
「わかってるよ・・・ありがと。俺も好き・・・」
俺は、直の体を抱きしめ返し、2人で力いっぱい抱き合った。
「鍵、閉めちゃったぁ・・・」
俺は直の好きなセリフを言って、鍵を閉めた。
直は、嬉しそうに微笑んで、俺の体にくっついた。
「俺、すっげー怖かった。お前が俺から離れてしまうんじゃないかって・・・怖くて怖くて・・・こんな気持ち初めてだった。」
直は、俺の目をしっかりと見つめてくれた。
「先生、私、何があっても先生から離れない。先生が逃げても、どこまでも追いかけるよ。先生は先生だもん。」
俺の胸に顔をピトってくっつけた直が、俺の腰に手を回した。
「俺、弱っちいから・・・頼むな。お前がいないと生きていけない・・・」
直は俺の手を握って、うんうんって頷いた。
俺の不安を取り除くように、俺の体にくっついて、俺を温めてくれた。
俺は、直を体にくっつけたまま、床にしゃがんだ。