「先生・・・泣いてるの?」
直よりずっと体の大きい俺が、直の背中に顔を押し付けて泣いていた。
更衣室は暖かかった。
俺の不安が少しずつなくなっていくのがわかる。
直の体温で、俺の不安が溶けていく。
「俺・・・直が・・・」
直が好きだよ。
声にならない声。
「先生?」
「もう、お前から会いに来てくれないかと思った。」
俺は、直の体をぎゅっと抱きしめながら絞り出すように声を出した。
直の肩が震えていた。
直も泣いてるのか?
「先生、ごめんね・・・不安にさせてごめん。」
「俺の方こそ、ごめん。直・・・辛かっただろ。ごめんな。無理すんな・・・」
直がゆっくりと振り返り、優しく俺の顔に手を当てた。
そして、そっと直の胸に俺を抱いた。
直の温度が、俺に安らぎをくれた。

