真実を話してから、スッキリするどころか、胸の中がモヤモヤしていた。




俺は、直と出会ってからのことを何度も思い出した。




最初に直を「生徒以上」に見てしまったのはいつだろう。


直を守りたいと思ったのはいつからだろう。



直の気持ちに気付いた時の俺の正直な気持ち。


直が俺を呼ぶたびに、抑え切れない恋心に怯えていたっけ。


好きになってはいけないと思えば思うほど、好きになっていた。




俺はこの恋が終わってしまったわけでもないのに、楽しかった思い出ばかり思い出していた。





いつものように電話をしているのに、どこか2人ともいつもと違っていた。


お互いに心の中に何かを抱えていて、それを相手に見せないように話していた。