俺と直は、カーテンを開け、夜空に浮かぶ三日月を見た。



直は、俺の肩に頭を預け、とろんとした瞳で俺と月を交互に見た。



「先生、直って呼んでくれたよね。」


「呼んでね~よ!」



こんな会話を繰り返し、キスをしたり、抱き合ったりした。




三日月は俺の瞳の奥に焼きついて、目を閉じてもくっきりと浮かび上がる。





「直、俺を月だと思って。寂しくなったら月を見て。」



俺の心の中にある2つの不安。




俺の家の周りをうろちょろする生徒のせいで

学校に直とのことがバレて、直に何かあったら・・・ってこと。




そして、俺自身の問題。




俺が真実を告げて、

直が俺から離れていってしまうかも知れないという不安。