また言えなかった。




俺は真実を告げることをまた先延ばしにした。





直がもう少し元気になってからじゃないと…と自分自身にいいわけをした。




本当は早ければ早いほど辛くない。



遅くなればなるほど、言いづらいし、言われた直も傷付くのにな。





勘の鋭い直は、何か気付いてるかも知れない。




俺が、本当のことを言おうかどうか・・・ふと、黙ると、直は不安な顔をした。



何もかもお見通しな顔して、俺と直を見つめるベートーベン。