オレンジジュース~俺と一人の生徒~




コーヒーを一杯って意味だったのか。



俺はコーヒーカップを用意する直を手伝った。


直の顔からさっきまでの悲しい表情は消えていた。



お母さんが荷物の整理をしている間に、お姉ちゃんがコーヒーを入れ、

直がそれをこたつまで運んだ。



「おいおい!コーヒーで帰れると思ってるのか?」


こたつに入り、くつろいだ俺にお父さんが突っ込む。


お父さんは台所にいるお母さんに目配せをして、食器棚からグラスを2つ取り出した。


「先生、良かったら泊まっていってちょうだい。お父さんに付き合ってあげて。」




俺はとっさに直の方を見た。





…お泊り??





いいのか?




そんなことして。





俺、教師なのに…





こんなに大事に扱ってもらっていいの?



直は嬉しそうに俺を見て微笑んだ。