その帰り道、とても穏やかな気持ちだった。 みんなそうだったと思う。 でも、まさか最後になるなんて… たった一度しか会えなかった。 でも、一度でも会えたこと、本当に嬉しかった。 俺は忘れない。 おばあちゃんのあの手の温もりと、 人を幸せにしてくれる優しい笑顔。 もう少し早かったら… もう少し もう少し… 直は電話の向こうで声を殺して泣いた。