直のお姉ちゃんの背中を見つめていると、

その背中からたくさんの後悔が伝わってきた。



何度かおばあちゃんと一緒に暮らす話が持ち上がったらしいが、

全部実現しなかった。


それが自分のせいであることを誰よりもお姉ちゃんは感じていた。





荒れていたことなど想像もできない優しい声で

お姉ちゃんは言った。



「ごめんね・・・おばあちゃん、ごめん。」



お姉ちゃんはしわくちゃのおばあちゃんの手を握りながら、肩を震わせた。





俺は知ってる。




やっぱり今でも自分を抑えられないことがあること。



お姉ちゃんは、必死で変わろうと努力していること。




でも、なかなかうまく行かないってことも…




今でも、時々


全てを捨ててどこかへ消えてしまいたいと思ってしまう夜があるんだ。