文化祭の翌朝から 俺の靴箱は女子からの手紙で溢れ返った。 それをよく思わない上級生に呼び出され、ボコボコに殴られたこともあった。 本気を出せば絶対に勝てた。 でも、俺はただ殴られていた。 俺が手を出せば、上級生は満足しない。 俺が土にまみれて、顔から血を流す姿を見て、やっと満足する。 『悪かった』と手を差し伸べられ、その集団は俺のそばを離れた。 そこで、俺は成長したんだと思う。 嫉妬とか妬みって、こっちが強く出れば出るほどひどくなる。 『負けるが勝ち』的な考え方もあるんだと、知った。