オレンジジュース~俺と一人の生徒~




「夢じゃないんだね・・・先生・・・」



涙に濡れた頬に手を当てた。



風の強いクリスマスイヴだ。



電話BOXの中も、凍える程寒かった。





「もう大丈夫だから・・・安心しろ!」




俺は矢沢の体を抱き上げた。




『お姫様だっこして欲しかった』と言っていた矢沢の笑顔を思い出す。




俺はお姫様だっこをして、車へ運んだ。