満月の中にはあいつの笑顔しか見えなかった。 俺の体の全神経を耳に集中させた。 俺が ずっと待っていた人。 矢沢… 「おい、どした?」 何も言わない矢沢。 電話の向こうで泣いていることだけはわかった。 俺は必死だった。