オレンジジュース~俺と一人の生徒~



まだ呼んだこともない

下の名前を呟きながら・・・



愛する直との別れ話の予行演習をする。




泣けてくる。



別れたくない。



そばにいたい。





心だけでも繋がっていたい。





彼氏と彼女の関係でいたいよ…





直の為なら何でもできる。



強くなれ、俺!!



タバコも止めただろ?


直の為になら、強くなれるはず…







俺はある決心をして、

電話をかけた。






何気なく開けたカーテンの向こうに見えたのは

里田の姿だった。





鞄も持たず、ただ俺の部屋を見つめていた。




99%決まっていた俺の気持ちが100%になった。





大好きだから


愛してるから、



別れよう。






でも、これが終わりだなんて


思いたくない。





口には出さないが、


俺とお前には未来があるって信じてるから。