そして、こんな気持ちも初めてだった。




朝、校門で

山崎と山本が俺に挨拶をした。




その後ろを矢沢が歩いていて…




俺は心の中で叫んだ。



『直、もっとゆっくり歩け!!』って…



山崎と山本が、俺の彼女に気付いて挨拶をする姿を

見たくなかった。




俺、だめだな。




教師として

こんな感情を持ってしまって、いいのか?




山崎も山本も俺の大事な生徒なのに…



何、ライバル視してんだよ。






その日、俺は食欲がなくて、一人で屋上で空を眺めた。