狂ってる

此処は昔から変わらない。


昔―――

私とカズが此処に連れてこられた時

私とカズが此処で腕に傷を負った時




―――パシッ

もう一発叩かれた。

地面に倒れた身体。
視界の端にはまた手を振り上げる男


怖くて、痛みに備えて目を瞑る


――――ゴヅッッ


聞こえて来たのは鈍い嫌な音

訪れない、新たな痛み


「いつ……き…」

目の前に居たのは樹

片腕を前へ突き出した状態で


樹と目が合う。
こんな状況なのにはっきりと。しっかりと


「てめぇは―――」