「慎也…」 「汐莉、こっち向けよ」 慎也はあたしの頬を両手で優しく包み、そっと唇で頬に触れた。 「ん、慎也……」 「どうした?」 あたしはもどかしくなって、彼の大きな手に触れる。 もっと… もっと、触れてほしい……。 あたしはそんな思いを込めて、彼の瞳を見つめた。 あたしを見下ろす、彼の熱い瞳。 あたしはぎゅっと彼のシャツを握った。