昼までに2試合、12時少し前に昼休憩になった。


観客は一旦全員外に出すことにし、体育館の中は選手だけになった。


…*…*…*…*…*…*…


体育館の横扉から中庭を見ると咲希が扉の近くに友達と立っていた。


「咲希っ♪先ずは勝ったよ!」


「竜…お疲れ様でした。
素敵でした…あ、あの、スリーポイント、
かわしながらで凄かったね♪
はい、よかったら食べて?」


「そ、あのスリーポイント
よかっただろ?俺もあれでかなり
テンション上がったし。
弁当、嬉しいよ、いただきますっ!!
咲希は?」


「うん、このまま、中庭で、
持ってきたおにぎり食べようかなって」


「そっか、……あいつには会ったか?」


少し声を落として聞くと、下から見られていたときもあったようだが、声をかけられたりはなかったそうだ。


俺は中に戻り貰った弁当をみんなのところで食べ、入れ物を返しに中庭に出ようとしたら…


白枝の数人が、水のみ場や中庭の方に出ていった。


なんとも言えない胸騒ぎがして、すぐそばにいるメンバーに清真の義希に言いに行くように伝えて、俺は真人を連れて咲希の元へ。


中庭には観客が昼を食べてたり、選手が数人いたが、咲希は端の方にあるベンチに、なるべく目立たないように座ってた。