「侵されたくて侵したい」


「こんなふうに?」


その指を取って食むと、ペシリと乾いた音が頬に弾ける。


「じゃあ、どうして君は愛を欲しがるの」

僕は少し痛む頬を撫で、苦笑いを浮かべて言う。


「愛じゃないわ、愛の言葉よ」


「どう違うのさ」


「全然違うじゃない」


彼女は信じられないと言うように僕を見た。