(仕方ないか…。)

食欲はないけど、暁君のご飯は美味しいし。
家で食べるよりは食べれるかもしれない。

「……いいよ。」

「ありがとう!!」

承諾すると、さくらの顔がパッと明るくなる。

「校門で待ち合わせしてるから行こ!」

こういうところに男の子は騙されるんだろうな…と思いつつ、さくらの腕に引かれながら校門へ向かった。


「暁ー!」

校門で待つ暁君に向かって思いっきり手を振ると暁君も軽く手を挙げた。

「あれ?」

暁君の隣には知らないメガネの男の子がもう一人居た。
黒髪のちょっと大人しそうな男の子は私とさくらに小さくお辞儀をした。

「暁、誰?友達??」

さくらも知らない様子で首を傾げる。
さくらが知らないんじゃ私が知るはずもない。

「あぁ、今日取った授業が同じで仲良くなった。な?」

暁君が話を振るとメガネ君はニコリとさくらと私に笑顔を向けた。

「春野義高です。よろしく。」