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「今日こそは双六!!外雪だし!!」

「はいはい…。」

「やったぁ!!」

「若は姫に時々甘いですよね…。」

「たまにはいいだろ。最近相手してなかったしな。」

「小太郎もやるよね?」

「お二人には負けませんよ。」

「わーいっ!!」


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(………?)

また夢を見た。
最近よく見る夢。

着物を着ている女の子。
最近気付いた事は、私は、その女の子の視点で夢を見ていた。

今日は男の子二人を引き連れて双六か…。
楽しそうだったな。

ベットから起きてカーテンを開けると、外はやっぱり夢と同じで雪だった。

どうしてこうも毎日毎日…。
冬だから仕方がないのだけれど、今年は特に雪が多い。

ピンポーン…

そしてあの日から、雪が降る朝は決まって家のチャイムが鳴る。

       
(……。)

玄関を開けるとやっぱり彼が居た。

「支度出来てます?」

雪が降ると必ず春野君は現れる。
約束もしていないのに、まるで日課のようだった。

毎日降る雪は憂鬱なままだけど、彼のお迎えはちょっと楽しくなっている自分もいた。