「ん・・・・・ここは・・・」

私はあたりを見渡す。

どうやら、また私は同じ夢を見ているらしい。

桜が咲き乱れる、春の日。

私の夢はいつも春だ。

「あ・・・・」

ふっと後ろを向くと、女の人が歩いていた。

手には綺麗な桜の花が咲いた枝を抱えて。

少し大人びた美しさの中に、幼さをのこしているような、綺麗で儚い人。

「今年も綺麗に桜がさいていますね。」

初めて聞くその声はどこかさみしそうな響きを含んでいる声だった。

私はだまってその人のことを見守る。

「もう、あなたがいなくなってから7年になるんですね・・・」

そう。

私がこの夢を見始めてもう7年以上の歳月がたつのだ。